10月3日の記事の続き [ヘッドホン]
10月3日の記事で届いたブツですが、ベイヤーの密閉型で、型落ちの機種です。
海外のサイトを見ていたら、たまたま目に入ってしまって、気づいたらポチっていました。
型落ちして見かけなくなっているのと、ハウジングの穴が物珍しいかった、という理由です。音の傾向は全く知りませんでした。
ヘッドホンナビさんに紹介ページがあります。
今更音の感想を書いたところで誰の参考にもならないかもしれませんが、思ったよりも特徴的な音でしたので、書いておこうと思い立ちました。
エージングはおそらく20時間程度なので、これからも変化する可能性はあります。が、一応落ち着き始めた頃かと思いますのでこの時点の感想、ということでご理解ください。
改めて、DT831です。一世代前の密閉型のフラッグシップだったようです。
それにしてもこの穴(モドキ)は変わったデザインですね。密閉型なのにハウジングに穴を開けるという発想はどこから来たんでしょう?
もう一つあまり見ない外観上、というか機構的な特徴はコードです。
コードは一本にまとめられることなくカールしてプラグからヘッドホンへ。因みに両出しです。
このコードがやたら硬いのです。3mあるそうですが、実用上は2m以下です。あまり引っ張っても弾性力がジャックの噛みよりも強くてすっぽ抜けます。これは正直いかがなものかと思っています。
さて、音のほうですが、今のところほとんどTRV-84HDに繋いで聴いていますので、あまり汎用的な感想とはならないかもしれません(もともと汎用性のない感想ですが…)。
HD-1Lに繋いだ際よりも始めの内から聴きやすかったため、こうしています(ある程度は刺激が緩和されているからかと)。
音の特徴は大きく2つあります。
音場というか定位感と周波数特性的な部分です。
まず、音場・定位感は不思議な感じがします。音は密閉型にしては耳から離れたところで鳴りますが、広がっている感じではなくて頭の2回りくらいの大きさの球体の表面から鳴っているように聞こえます。
更にそれぞれの音が球体の表面で離れた位置から、しかもはっきりと分離したところから鳴っているかのようです。分解能や解像感といったものではなく、分離感という表現に近いと思います。
これはゾネ機のS-Logicともまた違った定位感で私はDT831以外では、DT880も例外ではなく、感じたことはないです。この機種の魅力です。
もう一つの特徴、周波数特性的な部分に関してです。高域は強く、痛いです。中域は埋もれずに聞こえますが、これは低域の性質にも縁っているかと。というのも密閉型にしては非常に締まっている低域なので。
締まっている(ように聴こえる)理由の一つは響きの問題だと思っています。中~高域は密閉型らしく豊かに、時に過剰な程響きます。一方で低域は何故かほとんど響いていないのではないか、とさえ感じられます。低い音自体は出てはいます。しかし、ほとんど響かずに直ぐに減衰して行きます。不思議な感じです。ただし、一種の躍動感みたいなものはあります。
ボーカルは、各楽器が分離して鳴ることや躍動感みたいなものにやや埋もれるような感じはあります。サ行の音(に限らない場合もあり…)は基本的には痛いです。裏返しとして生々しさみたいなものを感じることもあります。
これらの特徴から、DT831では独特の音場感が味わえて心地良いものの、どちらかと言うと聴き疲れはしやすいように感じています。
このDT831も他にない個性をもっている、という意味でヘッドホンの奥深さをまた知らしめる機種の一つだと思います。
Leftは黄色。
(10/10追記)
よく見たら全体写真と装着感についての感想がなかったので、追加します。
Leftは黄色です。<しつこい
イヤーパッドはビスコースという素材を使った通気性のあるものだそうです。付け心地は非常に良いです。また、ヘッドバンドを軸に少しずつ左右に回転しますので、頭の形状に合わせやすいです。
ヘッドバンドはSTAXのSR-303と同じような機構で、全体を上下に動かして調節します。私は頭は大きいほうではないですが、それでも結構上限近くまであげないとキツイです。
側圧は強めだと思います。が、イヤーパッドがサラサラで気持ちがいいのでそれ程負担は感じません。
側圧の強さとヘッドバンドの短さはベイヤー機でよく言われるような、欧米人仕様という感じです。
購入される際はご注意を、と言っても試聴・試着できるところは国内では既にないかも…そういう意味で、色々なリスクをとっていける人用?っ
おお、むか~しどこかのコメントで「結構痛い」といわれていましたが、そのとおりのようですね~。
というか、実物見るのは写真を含めて初めてです。どもども。
貴重なインプレお疲れ様です。
うーん、ディスコンした機種というのはどうしてこうも魅力的にみえるのでしょうか(^^
カールコードは。。。正直あまりすきではないんですよね。なんかドライヤとかの家電ぽくて。他のコードからまるし。あれ、つかいにくいですよね???
by KOZZ (2006-10-09 22:46)
KOZZさん、コメントありがとうございます。
これは相当痛いですね。手持ちの機器ではTRV-84HDは比較的音が柔らかい方だと思いますが、これでも時々苦痛な程の棘を出してきます。
私もカールコードはあまり好きではないですね。最近はDJ1PROにHFI-2200ULEのコードが付いてたりしてます。長めで使いやすいです。^-^
by Clad (2006-10-10 00:22)
初めまして、いつも楽しく拝見させていただいてます。
珍しいヘッドフォンですね。私も初めて知りました。
(なにぶんオーディオ初心者なので・・・)
貴重なレビュー、大変参考になりました。
ミュージカルもお好きなようで、私も大好きですw
僭越ならがらRSSに登録させていただきました。
もしご興味があれば私のブログにも足を運んでくだされば
大変嬉しいです。これからもよろしくお願いします_(._.)_
by Chris (2006-10-10 00:31)
Chrisさん、はじめまして。Nice!とコメントありがとうございます。
DT831は珍しさのあまり、ついポチッと…
記事の流れから分かると思いますが、自分でもありえないタイミングでした。
おおッ!!ミュージカルお好きなんですね。ご自分のBlogでも取り上げていらっしゃいますね。周りではあまり通じる人がいないので、Blogで取り上げてみたんですが、こうも早く同好の士に出会えると立ち上げた甲斐があったというものです。うれし~です。^ - ^
それでは今後ともよろしくお願いします。
by Clad (2006-10-10 01:25)
あったあった!(笑)
DT831のレビュー、参考になります!
不思議な音場感・・・ソソりますねー
私もホントはコッチに行くはずだったんですが、DT990の型番違い買いに走ってしまいました(笑)
バリエーションとしては、今でもちょっと欲しいモデルですね
by tamegorou (2006-10-16 19:03)
tamegorouさん、Nice!とコメントありがとうございます。
分かり難くてお手数をおかけしました。<(_ _)>
ソースによる違いは多少ありますが、なかなか面白い音場感だと思っています。ハマル曲はいい感じですが、高音の痛さと分離感が悪い方向に出ると散漫でやたら聴き疲れするという諸刃の剣的なところもありますね。(^-^;
今後ともどうぞよろしくお願いします。
by Clad (2006-10-17 01:02)